三晃フェニックス

<BSCフェニックス詳細>

セラミックス処理法による赤水対策
<超電導高機能バイオセラミックスと赤水対策>

                   三晃フェニックス(株)杉本 光正


1. はじめに


セラミックスと聞くと、丸い茶色の遠赤外線ボ−ルや麦飯石・電解石等の天然石を思い浮かべる方が多いと思う。過去に、これらのセラミックスを用いた水処理が行われていたが、下記の理由で水処理では普及していない。
【1】 配管腐食阻止効果はなく、腐食進度を遅らせる程度の効果しかない。
【2】 その原因として、セラミックス構成成分の大半が不純物であり、水浄化成分が微量なために、大量使用しなければ何の効果も出ない。
【3】 セラッミクスの多孔質に、60日前後で不純物が付着し目詰まりを起こし、全く機能しない。
上記の理由から、少量でかさ張らず、効果が長期間持続し、種々の機能を複合して持つ、セラッミクスの開発が水処理用として、長年望まれていた。


2. 超電導高機能バイオセラミックスの開発


BSCセラミックスは従来の欠点を補い、水処理能力を高め、種々の機能を発揮すように開発された。
  BSCはハイドロキシアパタイト(トリリン酸カルシウム)が主成分で、人体に親和性が   高く、人工歯骨置換材として開発されたバイオセラミックスである。           
  この成分は、水中のミネラルを濃縮した構造と近似し、配管に付着するスケ−ルも同様の構造を持っている。更に酸化チタン・マイクロマイカ等の成分を複合して含有し、電流の流れる個所には、ある方向に磁場と電子の移動が起こるとする『フレミングの法則』を逆転するために、正磁性物質と反磁性物質をアンバランスに配合し、特殊な磁場を形成する事で微弱電流を発生させ、セラミックス成分の電子移動をさせる事に成功した。現在、光触媒として高く評価されている酸化チタンも、発生した微弱電流により真暗闇の中でも酸素のイオン化と吸脱着が行える。
  BSCは超電導に似た磁場を持ち、この働きで種々の機能を同時に作動させる。しかし、磁場に電流だ流れたり、異質な磁場に接触すると瞬時に機能が停止してしまう。 


3. BSCの主な機能


(1) pH(水素イオン濃度)のアルカリ化
発生する微弱電流により、アルカリ金属の電子移動と、酸化チタンの酸素イオンにより酸化還元をアンバランスに反復するために、pHが上昇する。    

(2)水分子集団(クラスタ−)の超微細化
水分子は単独では存在しにくく、集団を形成して存在するが、赤水の鉄分もこの集団が取り込み色度を増す。発生電流で酸化還元・金属イオンの移動・特殊磁場の働き等で、水分子集団は次第に微細化して来る。

(3)溶存酸素の飽和点上昇
酸化還元を反復する事と金属イオンの移動により水分子が超微細化し、酸化チタンの吸脱着(脱はイオン化酸素・吸は未イオン化酸素)で溶存酸素も微細化し、溶存量も上昇する。

(4)水のアルカリイオン化と好気性環境変化
酸化還元の反復とイオン化酸素の脱着により、水は弱アルカリイオン化し、イオン化酸素の飽和状態を引き上げるために、水中は好気性環境に変化し、嫌気性バクテリア類は棲息できなくなり死滅する。配管腐食を促進する鉄バクテリアも死滅し、腐食環境が非腐食環境に変化する。

(5)分離・凝縮・沈殿効果
水分子集団が微細化すると、水に溶解していた鉄分や不純物は水分子中に存在できずに、分離して微弱電荷を帯びて同じ成分同士が結び付き、凝縮されて、沈殿する。BSC設置後に赤水がすぐに透明度を増すのはこの効果のためである。

(6)電力・配管工事・薬剤・メンテナンス不要
BSC受水構内や高架水構内、冷却塔内に投入設置するだけなので、電力、配管工事、薬剤は不要。BSCセラミックスは電気分解をするのでステンレス容器に直接収納すると、容器との接触部が酸化還元により腐食するために、樹脂容器にセラミックスを収納しない
と赤水改善能力が、容器との酸化還元で消費されてしまう。


4.赤水(配管腐食)対策とBSCセラミックス


  BSCはスケ−ル・スライム・赤水・水質浄化などを同一レベルで同時に対策する事が出来るが、赤水に対しては、溶存酸素量を増加して酸化還元電位を大きく変動させpHを上昇させて、腐食環境を調整する。
  第1図は鉄が腐食しやすい条件と、腐食しない条件を酸化還元電位とpH(水素イオン濃度)で表したグラフであるが、酸化還元電位の+数値が大きい程、水中の溶存酸素量が多くなり、反対に−数値が多い程、水中の溶存酸素量は減少する。鉄はこの酸化還元電位とpH数値が交差する地点で、腐食しやすい状態と腐食しない状態に区分けする事ができる。

(1) 腐食態 (Fe2+) ・(Fe3+)
pHと酸化還元電位の交差地点がこの腐食態に入るとpHが高くても、水中の溶存酸素量が中途半端な状態で酸化還元電位は−0.4付近となり腐食しやすい状態になる。

(2) 不働態 (Fe3O4)
pHを高めるか、溶存酸素量を増やして酸化還元電位を上昇させると不働態に入り鉄は黒錆化(マグネタイト)に安定してステンレスと同様の性質に変わる。BSCはpHと溶存酸素量を調整して、この地帯の真中で安定し、多少の環境変化でも腐食に戻らない。

(3) 不感性態 (Fe)
水中の溶存酸素量を皆無の状態(真空)にする程、鉄は腐食から安定化して腐食しない。
 このように、鉄腐食は溶存酸素量を積極的に調整し、pH(水素イオン濃度)を安定化、又は、上昇させなければ対策できないと最近では理論化されている。


5.BSCの赤水対策の実際


【1】 BSCを設置する前に末端の水道蛇口より、朝1番に出た水道水を採水して水質       分析をする。これにより配管内の腐食状況、亜鉛被覆の劣化状態嫌気性バクテリアの棲息状況まで把握でき、設置後の比較対象に役立つ。
【2】 受水槽と高架水槽の総保水量と、水質分析値より算定した腐食状態で、BSC機種選定をする。
【3】 現在、配管の水漏れが出ていなければ、BSCは築25~35年経過した配管も施工する。
(1) 実施例と水質分析値推移(魚沼地域広域水道企業団)
BSC設置後、設置個所に近い配管腐食部から浮錆びの溶解が始まるために、鉄が上昇しその後、先の腐食部にパワ−が波及するので上昇下降後に安定する(第1表、第2表)
鉄配管は防錆用に亜鉛被覆をしてあるが、経年変化で亜鉛皮膜が劣化し、鉄地肌が露出
し腐食する。亜鉛の推移で皮膜の劣化状態が解る(第3表)
亜硝酸性窒素は、水系にし尿、動物の死骸、嫌気性バクテリヤなどの死骸が分解すると検知される(第4表)。
配管内に、腐食鉄などを餌にする鉄バクテリアが棲息していて死滅分解して亜硝酸性窒素として水質分析値に出て来たと思われる。
配管内にカルシウムケ−スがある場合(第5表)。
配管腐食(赤水)状態の配管でも、水中のミネラルや劣化亜鉛の溶解、アルカリ防錆剤使用などでBSC設置後に全硬度が上昇する。これらの皮膜が溶解しないと黒錆化するのに時間がかかる。飲料水の場合スケ−ルは配管内全面に付着せず、腐食部はなく、腐食が遅い部分に多く付着し、防錆効果を出している。
赤水の原因である腐食鉄が熔解し、腐食が進行していると、色度は次第に悪化する。
BSC設置後は水が微細化するので、きれいな水と鉄などの不純物は分離して蛇口より出る。腐食の根本を改善するので、短時間で色度は0数値を示すが、配管距離の長い場合は数値の起伏が反復し次第に好転化して0数値になる(第6表)。
色度よりも濁度はBSCに対して特に敏感で、不純物の分離、凝縮、沈殿効果で濁度は数値は急激に下げる。以上は飲料水赤水対策の水質分析値推移例であるが、工業用水でもBSCは濾過器を使用せずに飲料水基準内に適合させる(第7表)。
BSCセラミックの能力は、予測もできない機能を持ち、種々の効果を発揮しているが、簡単な能力比較を第8表にした。24時間風呂に使用した天然石と工業用水を循環冷却する冷却塔での比較である。
それぞれ、20kgを使用した場合の能力比較である。天然石は家庭用の4001前後の風呂を、濾過器と併用して、20kgの石で2ヶ月間浄化すると目詰まりする。
BSCは20kgで濾過器なしで、60tの循環水を浄化と腐食改善・スケ−ル剥離・スライム死滅を行い、6年間ノ−メンテナンスである。
このように高機能セラッミクスは、確実に21世紀の水処理器として成長している。(図2)

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